今回は『ストーカー被害件数/検挙数まとめ【2019年最新版】』として、
1、相談件数と検挙数の比較【検挙率】
2、検挙内容の比較
3、加害者と被害者の関係性まとめ
4、加害者・被害者の特徴
の4つを中心に、”わかりやすく” まとめていきます。
※ 本データは「生活安全局生活安全企画課」の2017年4月6日のデータに基づきます
ストーカー撲滅&警察対応の改善のために、広くシェア&拡散していただけると助かります<(_ _)>
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ストーカー被害件数・検挙数まとめ2019/検挙率・動機・年齢・関係性
ストーカー被害の相談・検挙まとめ【検挙率】
まずは「ストーカー被害の相談・検挙まとめ【検挙率】」から。
ストーカー被害の相談・検挙まとめ【検挙率】
ストーカー相談件数と検挙数の比較【検挙率】
相談数 | 検挙数 | 検挙率 | |
2000年 | 2,280 | 126 | 5.5 % |
2001年 | 14,662 | 1,063 | 7.3 % |
2002年 | 12,024 | 936 | 7.8 % |
2003年 | 11,923 | 855 | 7.2 % |
2004年 | 13,403 | 958 | 7.1 % |
2005年 | 12,220 | 901 | 7.4 % |
2006年 | 12,501 | 836 | 6.7 % |
2007年 | 13,463 | 960 | 7.1 % |
2008年 | 14,657 | 960 | 6.5 % |
2009年 | 14,823 | 1,022 | 6.9 % |
2010年 | 16,176 | 1,106 | 6.8 % |
2011年 | 14,618 | 991 | 6.8 % |
2012年 | 19,920 | 1,855 | 9.3 % |
2013年 | 21,089 | 1,976 | 9.4 % |
2014年 | 22,823 | 2,530 | 11.1 % |
2015年 | 21,968 | 2,549 | 11.6 % |
2016年 | 22,737 | 2,688 | 11.8 % |
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検挙内容の種類比較
刑法・特別法違反 | ストーカー規制法違反 | 検挙数合計 | |
2000年 | 104 | 22 | 126 |
2001年 | 921 | 142 | 1,063 |
2002年 | 758 | 178 | 936 |
2003年 | 663 | 192 | 855 |
2004年 | 752 | 206 | 958 |
2005年 | 701 | 200 | 901 |
2006年 | 653 | 183 | 836 |
2007年 | 718 | 242 | 960 |
2008年 | 716 | 244 | 960 |
2009年 | 759 | 263 | 1,022 |
2010年 | 877 | 229 | 1,106 |
2011年 | 786 | 205 | 991 |
2012年 | 1,504 | 351 | 1,855 |
2013年 | 1,574 | 402 | 1,976 |
2014年 | 1,917 | 613 | 2,530 |
2015年 | 1,872 | 677 | 2,549 |
2016年 | 1,919 | 769 | 2,688 |
過去3年間(2014~16年)の検挙内容の比較
2014年 | 2015年 | 2016年 | |
殺人 | 5 | 0 | 1 |
殺人未遂 | 9 | 11 | 11 |
傷害 | 213 | 197 | 180 |
暴行 | 179 | 169 | 165 |
脅迫 | 465 | 362 | 363 |
強要 | 62 | 57 | 69 |
恐喝 | 35 | 15 | 30 |
逮捕監禁 | 26 | 30 | 17 |
強姦 | 14 | 23 | 21 |
強制わいせつ | 27 | 39 | 54 |
窃盗 | 89 | 95 | 79 |
住居侵入 | 309 | 315 | 345 |
器物損壊 | 155 | 150 | 169 |
名誉棄損 | 33 | 30 | 38 |
暴行行為等処罰法違反 | 30 | 32 | 24 |
銃刀法違反 | 64 | 55 | 44 |
軽犯罪法違反 | 34 | 31 | 21 |
迷惑防止条例違反 | 60 | 88 | 107 |
その他 | 108 | 173 | 181 |
ストーカー規制法違反 | 613 | 677 | 769 |
合計 | 2,530 | 2,549 | 2,688 |
警察による警告・禁止命令件数まとめ
警告 | 禁止命令等 | 合計 | |
2000年 | 117 | 2 | 119 |
2001年 | 871 | 36 | 907 |
2002年 | 965 | 32 | 997 |
2003年 | 1,169 | 24 | 1,193 |
2004年 | 1,221 | 24 | 1,245 |
2005年 | 1,133 | 22 | 1,155 |
2006年 | 1,375 | 19 | 1,394 |
2007年 | 1,384 | 17 | 1,401 |
2008年 | 1,335 | 26 | 1,361 |
2009年 | 1,376 | 33 | 1,409 |
2010年 | 1,344 | 41 | 1,385 |
2011年 | 1,288 | 55 | 1,343 |
2012年 | 2,284 | 69 | 2,353 |
2013年 | 2,452 | 103 | 2,555 |
2014年 | 3,171 | 149 | 3,320 |
2015年 | 3,375 | 145 | 3,520 |
2016年 | 3,562 | 173 | 3,735 |
結果の考察・まとめ
・ 「ストーカー相談件数」は、ストーカー規制法成立後の2000年から徐々に増え続け、2002年と2016年を比較すると1.5倍に伸びている
・ 一方、「ストーカー検挙数」は2012年を境に倍近くに増えている
・ これは「長崎ストーカー殺人事件」を機に ”警察はストーカーに関する被害届を原則受理することになった” ことが大きく影響していると考えられる
※ 引用・参考記事『ストーカー事件/裁判結果まとめ【1998~2017年】ー主要23件を解説!』
・ 「ストーカー検挙率」も改善傾向にはあるが、昨年度(2016年)においても11.8%しか検挙できておらず、ほとんどの加害者は警察署に呼び出されることはないことを示唆している
・ 「ストーカー検挙率」が本当に改善されているのか調べるために、非線形モデルによる ”Hotelling-Williams t-test”、および簡易な主成分分析後の ”paired t-test” により有意差検定を実施した
・ ”paired t-test” では有意な差が認められたが(P<0.05)、 ”Hotelling-Williams t-test” では有意差なしとなった
⇒ 少なくとも大幅な検挙率の改善は認められない
・ 「検挙内容の種類」について比較すると、”刑法犯罪などに対する検挙” が ”ストーカー規制法に対する検挙” の3倍近くとなった
・ すなわち、極めて悪質な違法ケースでなければ、警察は加害者を検挙しない傾向にある可能性がある(検挙:加害者を警察署に連行し、事情聴取すること≠逮捕)
・ 「具体的な検挙内容」について比較すると、”脅迫”、”住居侵入”、”傷害・暴行” といった比較的証拠の残りやすい犯罪あるいは現行犯逮捕可能な犯罪での検挙が多く認められた
・ その一方で、悪質なストーカー加害者にみられる ”強姦”、”強制わいせつ”、”迷惑条例違反” の検挙数は相対的に少ない結果となった
⇒ 明確な証拠がなければ、警察は検挙まではしない可能性を示唆している
・ 「警察による警告・禁止命令」をみると、ほとんどが ”警告” 止まりで、逮捕にいたりやすい ”禁止命令” を出す比率は圧倒的に少なかった
※ 通常、”警告 ⇒ 禁止命令” の順で加害者への拘束力は高まっていき、警告を無視した場合に禁止命令を、禁止命令を無視した場合逮捕となることが多い(悪質なケースを除く)
⇒ 警告の段階でストーカー事件が解決している、または禁止命令を出さずに検挙(逮捕)している可能性が高い
以上、「ストーカー被害の相談・検挙まとめ【検挙率】」について説明しました。
続いて、「加害者と被害者の関係性」についてまとめます。
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ストーカー加害者と被害者の関係性まとめ【動機・年齢】
ここからは「ストーカー加害者と被害者の関係性まとめ【動機・年齢】」です。
ストーカー加害者と被害者の関係性【動機・年齢】
ストーカー被害者と加害者の関係
2014年 | 2015年 | 2016年 | |
(元)配偶者・内縁関係者 | 1,959 | 1,690 | 1,712 |
(元)交際相手 | 11,641 | 10,888 | 10,667 |
友人知人 | 2,593 | 2,722 | 3,002 |
仕事関係者 | 2,367 | 2,490 | 2,677 |
面識なし | 1,322 | 1,281 | 1,597 |
関係不明 | 1,264 | 1,130 | 1,083 |
その他 | 1,262 | 1,197 | 1,433 |
ストーカー ”被害者” の性別
2014年 | 2015年 | 2016年 | |
男性 | 2,432 | 2,341 | 2,557 |
女性 | 20,391 | 19,627 | 20,180 |
合計 | 22,823 | 21,968 | 22,737 |
女性比率 | 89.3 % | 89.3 % | 88.8 % |
ストーカー ”被害者” の年齢
2014年 | 2015年 | 2016年 | |
10代 | 2,102 | 2,043 | 2,065 |
20代 | 8,042 | 7,519 | 7,985 |
30代 | 5,940 | 5,674 | 5,658 |
40代 | 4,041 | 3,851 | 4,163 |
50代 | 1,487 | 1,516 | 1,499 |
60代 | 569 | 558 | 507 |
70代以上 | 199 | 214 | 273 |
年齢不詳 | 28 | 23 | 21 |
ストーカー ”加害者” の性別
2014年 | 2015年 | 2016年 | |
男性 | 19,593 | 18,819 | 19,089 |
女性 | 2,460 | 2,429 | 2,584 |
合計 | 22,053 | 21,248 | 21,673 |
男性比率 | 88.8 | 88.6 | 88.1 |
ストーカー ”加害者” の年齢
2014年 | 2015年 | 2016年 | |
10代 | 894 | 858 | 865 |
20代 | 4,305 | 4,079 | 4,236 |
30代 | 5,534 | 5,158 | 5,041 |
40代 | 4,844 | 4,557 | 4,785 |
50代 | 2,309 | 2,261 | 2,424 |
60代 | 1,545 | 1,510 | 1,430 |
70代以上 | 654 | 615 | 691 |
年齢不詳 | 2,693 | 2,930 | 3,276 |
ストーカーの動機
2014年 | 2015年 | 2016年 | |
被害者への好意によるもの | 15,363 | 15,419 | 15,738 |
好意が満たされないことによる恨み | 5,386 | 4,336 | 4,506 |
精神障害・被害妄想 | 107 | 85 | 78 |
仕事のトラブル | 23 | 42 | 30 |
その他、怨恨 | 137 | 193 | 203 |
その他 | 353 | 350 | 333 |
不明 | 1,454 | 1,543 | 1,849 |
具体的なストーカー行為の内容
2014年 | 2015年 | 2016年 | |
つきまとい・待ち伏せなど | 11,379 | 11,352 | 11,643 |
監視の告知 | 1,479 | 1,362 | 1,428 |
面会・交際の強要 | 10,987 | 10,426 | 10,946 |
著しく粗野(乱暴)な言動 | 4,374 | 4,166 | 4,468 |
無言電話・連続電話・メール | 7,767 | 6,608 | 6,321 |
汚物などの送付 | 174 | 139 | 180 |
名誉棄損 | 874 | 861 | 929 |
性的な恥ずかしめ | 1,135 | 1,134 | 1,253 |
その他 | 344 | 528 | 676 |
SNSなどネット上でのつきまとい・嫌がらせ | ー | ー | ー |
結果の考察・まとめ
・ 「ストーカー被害者と加害者の関係」では、”(元)交際相手” が圧倒的に多く、次点で”友人・知人”、”仕事関係者” となった
・ ただし、これはあくまで ”警察がストーカーとして処理した案件” に限られる
・ すなわち、相手の正体が不明な ”面識なし” のストーカーはカウントされにくく、潜在的な見知らぬ人から受けるストーカーは統計的により多いと考えられる
・ 「ストーカー被害者」について比較すると、女性が約89%を占めており、年齢別では20~40代が圧倒的に多い結果となった
・ ただし、10代に関してはストーカー被害を受けていても相談できないケースが相対的に多いため、本来は20代に相当する被害を受けている可能性がある
・ 「ストーカー加害者」について比較すると、男性が約88%を占めており、年齢別では20~40代がほぼ横ばいで同率となった
・ 「ストーカー被害者」は20代がトップであったことから、加害者は年下(若い女性)をストーカーしやすい傾向にある
⇒ 被害者の年齢・加害者の年齢に応じて適切な解決法を模索、および10代がより相談しやすい環境・手続きを警察側から提供する必要がある
・ 「ストーカーの動機」について比較すると、”相手への好意に起因するストーキング” が最も多かった
・ その一方で、悪質な事件に発展しやすい「相手への好意が満たされなかったことによる恨み」が4,000件以上認められた
・ しかし、「警察の警告・禁止命令」は4,000件を下回っているため、悪質なケースにおいても警察は十分な対応ができていない可能性がある
⇒ 警察による警告の強化・検挙指標の改善を模索する必要がる
・ 「具体的なストーカー行為の内容」について比較すると、”つきまとい・待ち伏せなど” および ”面会・交際の強要” が最も多くなった
・ ただし、どちらも確実な証拠を収めることが難しい案件であるため、検挙には結びついていない可能性がある
⇒ ストーカーの証拠を集めたうえで警察に相談することが重要であることを示唆している(防犯カメラ・探偵の活用)
以上、「ストーカー加害者と被害者の関係性まとめ【動機・年齢】」について説明しました。
これにて『ストーカー被害件数/検挙数まとめ【2019年最新版】ー検挙率・動機・年齢・関係性まで解析!』は終了です。
ストーカー被害を軽減し、警察の対応をより改善させていくためにも、上記の情報をシェア&拡散していっていただけるとありがたいです。